***2014年台風総決算***
2014年は全国的に異常気象や極端気象が頻発したが、台風に関しても例外ではなく、とりわけ発生時期に極端なばらつきが見られた事が挙げられる。7月までに12個と記録的なハイペースでの発生数であったが、8月は一転して発生が止まり、観測史上初のゼロ個(越境してきたハリケーンを除き)であった。
2014年の夏場は、北部九州から西中国の広範囲において観測史上例がない長雨と最低日照時間を記録した。
その一方で東日本では逆に猛暑が続き、両極端な気象が隣接した状態で1ヶ月以上も続いた事は過去に殆ど記憶にない。
この2014年における西日本の記録的冷夏と8月の台風発生数ゼロ個には密接な関連があり、フィリピン東方の積雲対流が極端に弱まった事に端を発していると推定される。更に異常進路を採る台風が多かった事も特記に当たる。
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①発生時期に極端な偏りが見られたこと。
*1号の早い発生(1月18日)
*7月までの発生数12個「歴代タイ」
*8月の発生数0個(越境して来たハリケーンを除く)「歴代1位」
*史上二番目に遅い発生(12月29日の23号)
8月の発生数がゼロだった原因として、フィリピン東海上の積雲対流が弱まった事による。
これに伴い太平洋高気圧が東に後退したため、九州北部と西中国では記録的な冷夏となった。
寒候期の発生が相次いだのは、海水温が高かった事が考えられる。 |
②異常進路を取った台風が多かったこと。(8、12、16、19号)
1416は上海付近を北西に、1419は九州南西海上を北西に進んだが、何れも季節外れの過去に例を観ない進路であった。
また1408にもこの傾向が見られ、この進路パターンは2008年以降から現れやすくなっているが、この背景には温暖化が関係しているものと見られる。 |
③鍋底構造で巨大な眼を持った台風が多かったこと。
特に12号は過去最大級の300kmを超える眼を持っていたため、那覇では中心が200km近く離れた所で最大風速を観測した。
あまりに眼がデカ過ぎるためにJTWCでは始めのうち熱帯低気圧と認めてなかったようであるが、正式にはこのような低気圧をサブトロピカルストーム「STS」或いはモンスーンジャイアとして区別しているようだ。
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④10月に二つの上陸があったこと。
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