***2015年台風総決算*** 

2015年は顕著なエルニーニョの発生による全国的な冷夏が予測されたものの、実際は西日本を中心に暑い夏となった。
しかし東日本では暑さは長続きせず、西日本においても残暑がなく秋の深まりが早く、太平洋高気圧が早目に後退した
ことで、今年の台風シーズンは例年より前倒しにやって来た感があった。また、12月29日までの発生数は27個で、
平年値の25.6個と比較してほぼ平年並みに推移していると言えるが、全ての月で発生したのは観測史上初の事である。
しかし本シーズンである8月、9月の発生数は9個で平年並み以下であり、総発生数との比率でみると少ない傾向にあり、
特に8月は4個しか発生がなく、昨年同様に寒候期で増加、暖候期で減少するパターンに推移しているように思われる。
上陸台風は合計4個(温低化及び熱低化したものを含めると合計6個)で、平年値の2.7個と比較すると多目であった。
尚、2015年の台風の特徴として以下の5つを以下に挙げて見た。

①近年、全く台風が来なくなっていた九州北部に続けて2つ上陸したこと。
このコースは20世紀までの平均的なコースであり、むしろ今年の台風は至って正常な振る舞いであったと言える。

②越境台風が二つも有ったこと。
今年の台風の発生位置が例年より南東に位置していたことや、サブハイの峰が西に張り出していた事が挙げられる。

③スーパータイフーンが4個も発生したこと。
風速33m以上(世界基準でいう台風)まで発達した台風は10個で、そのうちカテゴリー5まで発達したものが4個もあった。
これに関してはエルニーニョの影響により発生域が例年より南東に位置していたためと考えられる。

④冬場から早いペースで発生したこと。
海水温が異常に高かったのが直接の原因であるが、その背景には温暖化の影響が強く疑われる。

④転向しない状態で超大型台風が北海道を直撃したこと。
極端に南下した寒冷渦により蛇行した偏西風に沿って進んだためであり、正確には転向点が西に90度傾いていたために
一見転向しなかったように見えたに過ぎないのである。北海道東岸を掠める頃には既に温低化したものの、950hPa台と北
海道を直撃するものとしては記録的な勢力を維持していたので、暴風や高潮等の被害が北日本の広範囲に及んだ。

⑤周年を通じて全ての月で発生が有った事。
寒候期での発生が顕著になっているのは温暖化に伴う海水温の上昇があると思われる。