*近年の進路傾向と的中精度についての検証*
各気象機関の予想に一定の手を加える手法に基づいて、7日先までを予想しています。
気象庁では台風を3日先と5日先までに分けて予想しているが、精度が高いのは3日先までで、それ以降になると極端に精度が落ちているために長期的な予想には無理が有ると考え、そこで目を付けたのが、各気象機関によって予想バイアスに一定の規則性があることを利用するという手段である。この手法は「他人のふんどしで相撲を取るような行為にあたる」と揶揄されるかもしれないが、個人的に作成したしたダイヤグラムも同時に使用している。

                  閲覧についてのご注意!!

情報ソースは気象機関のデータを用いてますが、予測は独自解析にて作成したものであり公の予報ではありません。
よって的中精度についての責任は各人の判断に委ねると共に、各人の参考資料までに留めてご覧戴きますよう願います。
 
台風の進路が東日本にシフトしている懸案についての再検証を試みた。
1982年〜1996年と2001年〜2017年を比較した結果はグラフを見れば一目稜線であるが、通過数の推移を変化率で示すと西日本では減少、特に北部九州と中国地方では2001年以降から台風通過数が半分以下になっており、逆に東日本で増加、特に東北で2倍を超えているのは注目に値する!
この傾向は、偏西風の流れが大陸で北上していることに加え太平洋高気圧が夏場に発達しなくなった事により、本土上層の流れが従来の南西から北西に変化した事と相対的に東日本が気圧の谷になり易くなった事によるものと個人的に推測しているが、近年の台風が北部九州に来なくなっている事を上手く説明出来ると観ている。また、このような台風のコースシフトは2000年以降から顕著に観られるようになっている事から、温暖化が原因と推測している。
*2017年の台風進路独自予測の精度評価*
6月に予測した8〜9月における気圧配置パターンは、ほぼ100%的中した。
台風の進路においては沖縄の南方海上を大陸に向かうものと、急旋回して東日本に向かうという二極化パターンは大筋で的中した。
しかし、個人予測より西に進路を採ったものが多かったが、これは太平洋高気圧が沖縄付近で予測より西に張り出したことによる。
気象機関別の総合評価ではGFS (NOAA )の精度が群を抜いて高く、逆に精度が劣ってたのは韓国気象台とECMWFであった。

次に上陸までの予想時間における的中精度を評価してみたところ、ノアのGFSモデルが一番精度が良く、続いて個人予測、気象庁のTYモデル、JTWCが高得点だった。しかしTYモデルとJTWCは168時間前の予報がなされない為に、実際の精度は落ちると思われる。
個人予測が高得点を得たのは、ノアのGFSモデルを参考に予測をしている事に関係あると推定した。
 
*2016年の台風進路独自予測の精度評価*
気象機関別の総合評価ではGFS(NOAA)の的中率が高かった。
横軸は気象機関別、縦軸は誤差(km)でゼロに数字が小さい程精度が良い事を表している。
尚、18号についての誤差が際立っているのは、10月の台風として極めて異常なコースを進んだ事が大きい。

                        *地域別台風通過数の変遷についての考察(2016年まで)
表は1990年から2016年までの27年間を5年刻みで台風の地域別通過数を示したもの及び近年の台風の進路傾向を表にした。
それによると西日本での通過数が減少傾向にあり、特に北部九州、中国での減少が著しく、その一方で東日本を通過する台風が増加している。
この傾向は近年特に顕著になっており、背景には温暖化に伴う気候変動との関連性が疑われる。
                        2016年における台風の傾向と独自予測の誤差について。
2016年は台風観測史上において、進路と発生パターンに顕著な偏りのある過去に例を観ない年であった。。各気象機関の予想では、夏場までにエルニーニョの消失とラニーニャの出現が予想されていた為、太平洋高気圧が強まる事を前提に予測をしたが、実際ラニーニャの発生は無く、夏までに消失が予測されていたエルニーニョが引き続いた事で、太平洋高気圧が当初の予測に反して弱く、加えて位置が異常に北東に偏った状態が1ヶ月以上も続いた。更に、チベット高気圧が例年になく東に張り出した為に、本来気圧の峰になる東日本付近が気圧の谷に位置し、その間隙を縫うように台風が東北日本とりわけ北海道に集中した事は過去に例がなく特記に値する。また月別発生パターンにも著しい偏りが観られ、7月になってようやく1号が発生した。しかしその後から太平洋高気圧が弱まり更に位置が北偏したため、太平洋高気圧が本来あるべき位置に熱帯収束帯が北上、加えてその位置にモンスーンガイアを生じた為に、8月は一転して台風を量産する結果となり、結果的に8月の発生数7個を更新した。
以上の事から当初の予測はことごとく外れたが、近年、過去の統計による予測が当てはまらなくなっているように感じる。
                      2015年における台風の傾向予測の誤差について。
今年も近年の傾向に準じ東海に上陸が集中すると観られていたが、予想に反し実際の上陸数は北部九州2個(温低化したもの1個)、近畿1個、東海1個(温低化したもの1個)であった。多数の気象機関においてもエルニーニョの発生から8月は顕著な冷夏が予報されていたが、実際冷夏になったのは東日本で、西日本では比較的暑い真夏となった。
                      2014年におけ台風の進路傾向予測の誤差について。
1月に行った独自予測では、九州2個 中国1個 四国2個 近畿2個 中部1個 東海2個 関東2個 東北1個であった。
実際の通過数は、九州(南部2個、北部0個) 中国0個 四国3個 近畿3個 東海3個 関東3個 東北1個であった。
注!!(通過数であり上陸数ではありません、よって総数は総上陸数より多くなります。)
2014年は合計4個(1408 1411 1418 1419)の台風が上陸した。そのうち10月に2個が上陸したのは史上初めての記録である。
尚、最終的に東海に向かうコースに収束しており、近年の進路傾向である東海関東地方に通過が集中する予測は粗方的中した。