安全報告書(平成21年度



1 はじめに

錦川鉄道では、開業以来「鉄道輸送の安全」を最も重要な使命として位置づけ、経営トップから現場までが一丸となって取り組んでまいりました。多大なる信頼をお受けし、ここまで来ることができましたが、これからも公共交通機関として、お客様からの信頼をお受けするよう、全社員一丸となって取り組んでまいります。
 当社は、鉄道事業法の一部改正を受け、輸送の安全を確保するために遵守すべき事業運営の方針、事業実施及び管理体制や方法を定めた安全管理体制を確立するとともに、「鉄道輸送の安全」に対する組織の一層の強化を目的とする「安全管理規程」を制定しました。経営トップから社員一人ひとりまで、安全を最優先する意識をさらに高め、公共交通機関としての信頼の確立に向けて邁進しております。
 
本報告書は、それに基づき「安全報告書」として、主に平成21年度の「錦川鉄道の安全」に関する取組みを、皆様に広くご理解いただくために作成いたしました。今後も安全に関する施策及び取組みを一層充実させる所存です。引き続きまして皆様のご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


2 安全確保に対する基本的な考え方

当社は、安全に関する基本的な考え方を「安全綱領」及び「安全に係わる行動規範」として、定めています。

(1)基本的な方針(安全綱領)

@安全の確保は輸送の生命である。
A規程の遵守は安全の基礎である。
B執務の厳正は安全の要件である。

(2)安全に係わる行動規範

@安全の確保を最優先とし、一致協力して輸送の使命を達成することに努めます。
A輸送の安全に関する法令及び関連する規程類をよく理解するとともにこれを遵守し、厳正、忠実に職務を遂行します。
B常に輸送の安全に関する状況を理解するよう努めます。
C職務の実施に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のある時は最も安全と思われる取り扱いをします。
D事故・事故のおそれのある事態、災害その他輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、すみやかに安全適切な処置をとります。
E安全に係わる情報は漏れなく迅速、正確に関係箇所に伝達し、その共有化を図ります。
F常に問題意識を持ち、安全の確保に必要な変革に果敢に挑戦します。




3 安全管理体制と方法

-1 安全管理体制

 当社は、社長をトップとする安全管理組織を構築・運用しています。それぞれの責務を明確化した上で、安全確保の役割を担っています。

平成21年6月1日現在
安  全  管  理  体  制  図
社   長
安全統括管理者
役   員
運転管理者
(鉄道部長)
(運輸課長) (工務課長)
車両管理者 施設管理者
(運輸課長) (工務課長)
乗務員指導管理者 (運輸係長) (工務係長)
(運輸係長)



社     長輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負う。

安全統括管理者:輸送の安全の確保に関する業務を統括する。

運 転 管 理 者
:安全統括管理者の指揮の下、運転及び事故防止に関する事項を統括する。

乗務員指導管理者:運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する。


施 設 管 理 者:安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設に関する事項を統括する。

車 両 管 理 者
:安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する。



-2 安全管理方法

 当社は、安全に対して下記の取組みを行ってきました。

(1)安全会議の開催

 当社は、社長・部長・課長・副課長・関係係長等によって構成する安全会議を毎月1回開催しています。この会議では、事故(他ヶ所で発生したものも含め)を未然防止するため、事故防止策等の必要な対策措置を構築するとともに、社員から提出されたヒヤリハットや、気がかり事象等の事故の芽について安全対策を講じるとともに、安全指導教育を徹底して事故を未然に防止するよう努めています。また危険箇所、要注意箇所には徐行区間を平成22年3月ダイヤ改正で増やしており、更に車両や施設の安全対策として着実な点検や、早めの部品交換などを行っています。

(2)教育訓練の実施

 当社は、毎月乗務員に対し、教育及び訓練(机上及び車両を使って)を実施しています。また、平成20年12月には全列車が新型車両となり、安全性は大きく向上しましたが、最新技術導入の車両のため、その月に発生した車両故障等のタイムリーな訓練を行うなど、実体に即した取り組みを行っています。
 また、その他社員に対してもOJT等により教育訓練を実施して、実務能力、安全意識の向上を図り、事故防止に努めています。

 さらに、経験の少ない乗務員への教育は、新任乗務員のフォロー研修(3ヶ月、6ヶ月、1年)を実施しています。新人乗務員に対しては、定期的な添乗指導を他乗務員よりも多く行うとともに、知悉度を把握し、適切な指導を行い、現車訓練を含めた訓練に時間を多くとり、教育を実施しています。
 緊急時対応訓練の実施については、当社の運転指令で異常時が発生した時の対応をスムーズに誤り無く行うため、定期的に駅運転取扱いや、閉そく方式の変更等の勉強会を実施しています。

(3)JR西日本広島支社との事故防止研究会の開催

 当社は、JR西日本広島支社の関係部所と、JR線乗り入れに関わる運転取扱いの相互理解を深めるとともに、事故防止を目的とした事故防止研究会を定期的に開催しています。

(4)輸送安全総点検の実施 

ゴールデンウイークにおける運転事故防止の取組み(4月25日〜5月6日)
夏期多客輸送における運転事故防止の取組み(7月18日〜8月31日)
年末年始輸送安全総点検(12月10日〜1月10日)
 当社は、この期間において全社員が、基本動作・基本作業の徹底を図るため、仕事の振り返りを行いました。また、列車乗務員には、運転管理者による添乗指導も重点的に行い、事故防止に成果を得ました。

(5)その他

JR西日本広島支社との事故防止研究会の開催(3月19日)
適時、中国運輸局及び民鉄協の会議に出席しました




4 安全対策の実施状況

 当社は、安全に関する運転設備を充実させるとともに、車両や地上設備に関する保守点検を確実に実施するなど、事故防止に努めています。

(1)施設の整備

 平成21年度は、設備投資が伴う施設の改良を実施しました。安全対策としては、30kレールから50kレールに変換する重軌条化、道床バラスト落下防止工事及び、護岸壁傾斜防止工事など、安全運行の基盤整備を行いました。

(2)車両の保守点検整備

 当社は、安心した乗り心地のよい車両を提供するために、計画された保守点検に努めています。
 21年度は、月検査−延べ16両、列車検査−延べ479両実施しました。


(3)踏切事故防止対策

 当社は、踏切事故キャンペーンに合わせ、神の内踏切、柳瀬踏切において、通行者等の安全を図るため、ペンキの塗布や幟旗の設置を行い、事故防止意識を向上させる活動を行いました。また、柳瀬踏切では地元住民に参加して頂き、実際に車を遮断カンとの間に取り残された状態にし、踏切から脱出する訓練などを実施し、地元住民から大変感謝されています。

(4)テロ対策

 鉄道テロ対策は、未然防止のため、社員にテロ対策マニュアルの再教育を実施しました。また、昨年から引き続き「出区時や折り返し時における車両点検徹底」「留置車両の施錠の徹底」「駅構内及び車両での不審物のチェック」「当直社員による構内巡視」が行われています。また当社では、平成19年2月に夜間、車両の電気ケーブルを切られるという事件が発生しましたが、これを機に、更なる対策の強化を図るため、「夜間巡回の強化」「各箇所の施錠の徹底」を図っています。

(5)危険箇所・要注意箇所の対策

 当社は、安全を最優先とする取組みの一環として、以前に落石等が発生した箇所を選定しその区間において列車の速度を落として走行することで、未然の災害防止に努めています。

      
                              

5 運転事故等の状況(30分以上列車が遅延又は運休等した事故)

平成21年度運転事故、労働災害等の件数
 輸送障害−14件、労働災害−1件
 輸送障害:
  大雨5件、信号故障1件、車両故障2件、軌道2件、倒木1件、落石等2件
、その他1件
 平成21年度末の運転無事故・労働災害無事故継続日数は、
 運転無事故継続日数−6718日、労働災害無事故継続日数−220日




6 安全に対する今後の取組み

 当社は、「安全を最優先とする企業風土への取り組み」として、安全基本方針を確実に実行していくとともに、事故・災害等、その他輸送の安全確保に資する情報を分析・整理し、事故防止対策の検討を今後も行っていきます。これを通じて、不安全事象の再発防止又は安全意識の向上を全社員で取り組んでいきます。さらに「基本動作・基本作業」を確実に実施していくことで、引き続き事故「ゼロ」を目指していきます。
 また当社は、鉄道再生計画中であり経営の健全化に鋭意努力しております。安全に対しても、同じく「輸送の安全」確保に積極的に取り組み、お客様への「安全・安心」を確実なものとするために、さらなる安全性の高い鉄道会社を目指して全社員で取り組んでまいります。そして、地域とともに発展する錦川鉄道を目指していきます。



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