竹田動物病院

山口県岩国市周東町にある動物病院です。地域に根付いたホームドクターを目指しております

 
フェレットちゃんに一年間にしてあげること。(推奨)
1. 伝染病の予防注射(毎年)
2. フィラリア症の予防(毎年)
3. 健康診断(年1〜2回推奨)6歳超えた子はとくに。
1.伝染病の予防注射 毎年1回(初年度は2〜3回要相談)
ジステンパーワクチン。海外ではフェレット専用のワクチンがありますが薬事公認はなく合法的に入手できないため当院ではワンちゃん用ワクチンを代用しています。接種時期は生後1年以内に2〜3回間隔を決めて接種してその後1年おきに体重に応じて接種しています。

 

2.フィラリア予防注射(年1回)や5月〜12月まで毎月経口か滴下剤

当院では、この感染に起因するであろう症状の初診のワンちゃんが室内犬・室外犬問わず毎年多数来られます。室内で蚊を見たことがある方は注意をお願いします。ほぼ100%予防できる病気でフィラリア感染による死亡=寿命ではありません。間違った都会的な考え方の情報もありこちらの田舎では予防意識がまだまだ低い病気に思われます。フィラリア症とは毎年フィラリアを持つ蚊に刺されることにより心臓の中に細長い白い虫が年々増え続け、多数寄生により死に至る病気です。感染したフェレットの症状は咳や息切れ、呼吸が早い頻呼吸、食欲不振や体重減少、虚弱、無関心、体力低下が多くほんの数匹の寄生で重度の心疾患症状を起こし予後不良となります。予防期間は各県でも違います。薬は注射と経口と滴下などがあります。

 

狂犬病予防注射

当院では、犬以外の動物に積極的に注射することはありませんが、海外に連れていくなど証明書が必要な場合、接種しています。現在、日本は洗浄国とされています。

 

 

3.健康診断 (年1〜2回推奨)6歳超えた子はとくに。

触診、血液検査、超音波検査、X線検査などの検査があります。特に触診が大事と考えています。ご存知の通り、フェレットは中高齢になると腫瘍疾患になる確率が高くなるので少しでもおかしいなと気づいた場合、病院に来院されることをお勧めいたします。

 

 

 

※フェレットの病気について。以下の症状がある場合、病院に来院されるといいと思います。

症状

後背部〜体幹部側面にかけての脱毛

皮膚の乾燥や痒み、薄化

毛の色が黄色化

生殖器の腫脹

削痩、体重減少、食欲の低下

寝ていることが多い

後ろ足が立たないやふらつき

呼吸が乱れているや呼吸困難

ぼんやり宙を見つめるような仕草

泡を吹いたり口を痒がる仕草

ぐったりして活動性の低下

慢性の下痢

首部のしこりが大きくなった

自分で自分の皮膚を噛みちぎろうとする

尾の腫瘤塊やそこからの出血

頻繁な尿漏れ

腹部膨満

食欲の低下

 

歯の周囲の汚れや炎症が多々の場合

フードを食べるときに痛がる

歯ぎしりや嘔吐、黒いタール状便

血尿

排尿困難

会陰部をしきりになめる

体臭が強くなった気がする

くしゃみ、鼻水

 

当院において

若齢フェレットで多くみられる疾患としては、

誤飲、、嘔吐、下痢、食欲不振

換毛期の毛玉症

骨折(椎体、骨盤、後肢、前肢指)

舌の裂傷

中高齢フェレットで多くみられる疾患としては、

インスリノーマ(膵臓の腫瘍)

副腎腫瘍

心不全

リンパ肉腫

皮膚腫瘍(肥満細胞腫、脊索腫など)

etcがあります。

腫瘍の場合は、飛び込みの来院や健康診断で見つけることが多いです。

早期発見や日頃の健康経過観察がとても大事だと思います。

 

 

インスリノーマについては、早急な食事療法、薬物療法、外科手術などを年齢など考慮し組み合わせることにより

QOLの向上が見込めます。完治は期待できない病気です。

副腎腫瘍については症状は似てますが癌や癌ではないものがあります。

これも完治は期待できない病気です。

外科手術や内科療法があります。どちらもメリットデメリットがあります。

飼い主様によっては完治できないのならという理由から無処置で経過観察という選択肢も多々見受けられます。

血液検査によるホルモン量測定で腫瘍であるかどうかは困難ですが症状が副腎ホルモンからきているものなのか

参考にすることができます。

X線や超音波検査では、腫瘍が大きくなってからでないと診断できませんので症状や触診からの仮診断となります。

確定診断では外科手術をして片側の大きいほうの副腎腫瘍を摘出して病理学的に検査をする必要がありますが

6歳以上のフェレットでは手術は推奨していませんが脾腫もあり内臓圧迫で下痢の可能性がある7歳超の子を

試験開腹して脾臓摘出し直視で明らかな左右の副腎の大きさが違いホルモンが過剰の場合は

大きい歪な片側副腎腫瘍摘出で良好な結果が得られた子もいます。

術後の効果がよければ半年以内に毛が少しずつ生えてきて症状の改善がみられQOLの向上につながります。

内科療法に使用される薬には注射薬があり、症状の見た目の改善を目的に使用したり骨髄抑制などの改善を期待して

1か月に1回投与します。ずっと注射し続けていくことになります。

当病院では4週間から5週間毎に症状をみながら注射しています。

皮膚が青くなることがあります。

副腎を壊したり機能不全にしたりする薬ではないので見た目の症状の改善と対処療法という意味合いもあります。

この注射薬は脳の下垂体に作用し、副腎ホルモン分泌量を少なくすることで脱毛などの症状の改善が期待されます。

経験上注射を続けて1年半〜2年すると効きが悪くなる感じがあります。

注射しても全く発毛が見られないケースの場合、

メラトニン栄養補助液を日の出から何時間に飲ませることと併用することもありますが

併用しても発毛がみられなく症状の改善も得られない場合があります。高齢な子の場合が多いです。

海外では他の治療方法の文献がちらほらと出てきていますがまだまだ未知の段階です。

心不全については超音波検査で確認後、内科療法で様子をみます。完治は期待できない病気です。

 

以下、現在編集中

 

 


 

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