竹田動物病院

山口県岩国市周東町にある動物病院です。地域に根付いたホームドクターを目指しております

 

当病院の休日や祝日に

獣医師と連絡がつかない場合や

遠方からの夜間救急電話で

熱中症対処法について知りたいということでしたので

書いておきます。

 

夏の部屋に閉じ込めた環境内や

エアコンの停止、車内での閉じ込め、

外で飼育されて無風や避暑地が無い状態で

あきらかに熱中症と思われる症状の場合の

病院にすぐに連絡がつかない場合の

家庭内対処法です。

 

すぐに病院に連絡して対処できればいいですが

休日や連絡がつなかない場合はまずは以下の対処です。

対処後問題なくても病院には必ず受診するようにしてください。

 

必要なもの

体温計

(人間用で可。肛門にさして温度確認します。

ワンちゃん、ネコちゃんの正常体温は38度〜39度です。)

保冷剤

(ペットボトルを凍らしたものや氷をビニール袋にいれたものでも可能。

すぐに無ければコンビニやスーパーで氷を買う。)

水風呂

水風呂が用意できなければ、バスタオルを水で濡らしたものと扇風機

 

1リットルの水に塩3g、砂糖40gをまぜたもの。

(水だけを飲ませる場合は注意:水中毒)

ポカリスエットに少し塩をまぜたものを飲ませます。

 

熱中症の場合

呼吸が速く熱が40度超えているか近い場合でぐったりしていることが多いと思います。

(人間用体温計を肛門からさして確認します。)

 

体温が40度を超えている場合の

家庭内対処方法

体温が40度超えると危険なため、すぐに体温を下げる必要があります。

下げる目標体温は39.5度。体温が39.5度になったら止めます。

水風呂の場合、水に頚部(首)以下が浸かるように。

水風呂がない場合、バスタオルを水で濡らし体をそれで包み扇風機で弱風を当てて体温を下げます。

同時に首の周り、腋の下、後ろ足の付け根内側には太い血管が通っているので

そこを保冷剤を当て冷やします。

対処中に体温が38度を下回った場合は今度は暖めます。

意識が戻り調子がよくなれば

1リットルの水に塩3g、砂糖40gをまぜ

スポイトや匙で少しずつ時間をかけて適量をゆっくり飲ませます。

(水より早く体から失われた水分・塩分を体に吸収させるため)

吐き気があったり下痢などを起こしている場合は

飲ませると悪化や

点滴で治療が必要なため

死に至る場合があるので

病院に早く受診する必要があります。

 

体温が40度を超えていない場合の

家庭内対処方法

この場合は、過度には冷やさず冷房など涼しい場所で維持します。

無ければ扇風機の前に氷やペットボトルを凍らしたものを置き、それに弱風をあて

その向こう側にワンちゃん・ネコちゃんを置き管理します。

1リットルの水に塩3g、砂糖40gをまぜ

スポイトや匙でゆっくり少しずつ時間をかけて適量をゆっくり飲ませます。

(水より早く体から失われた水分、塩分を吸収させるため)

対処中に体温が38度を下回った場合は今度は暖めます。

病院には受診してください。

 

上記対処法は一般的なものです。

症状や場合により違いますので

とりあえず体温を39.5度に下げ38度〜39度で維持し

この時点で以前でも以後でも病院に連絡がつけば

すぐにお近くの病院に受診されてください。

 

【予防のための注意事項】

動物を置いて外に外出されるときには、室温に注意してクーラーなどを適切に使用する。

直射日光に長時間当たらないようにさせる。

水分をいつでも十分とれるようにする。

密閉された車や狭い部屋などに長時間おかない。

車やカートに乗せている場合は興奮しやすい子もいるので、サンシェードや気温、車内温度に十分注意し調整する。

夏場の散歩や運動は短時間で済ませ、時間を長くかけない。アスファルトを散歩させるときは地面を触って熱いかどうかチェック。

散歩は涼しい時間帯に行う。

犬は人間のように汗をかけないので外気温が高ければ口を開けて呼吸で体温を下げようとしても下がりにくいことを理解。

肥満犬や大型犬、短頭種犬、病気の犬は散歩時間帯など要注意。

熱中症になったときの対処法を確認しておく。

 

高熱にさらされる時間が長かったり、数日前から調子が悪くなどの相談や緊急外来で夏場に来られる場合がありますが、

熱中症重症例では、体内で蛋白凝固(温泉たまごのでき方を想像してもらえば)という変化が体内で不可逆的に起こり、

多臓器不全という状態までなれば有効な治療法もなく(温泉たまごを元の生卵の状態に戻すことはできない)

当日から数日後に死亡してしまうケースが多々あります。

 

飼い主様でできる対策や処置を速やかにできるよう準備や対策をお願いいたします。

 

0827−84−4077

竹田動物病院

 

 

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