ガット張りについて

 「プロ選手に適した張りと、一般の人や初心者に対する張りは、どう違うの?」、ということを
よく聞かれます。
答えは、少しも違わない、ということです。
もちろん使用しているラケットの違いや、ストリングの種類、本人のパワーにより、張るときの
強さは違います。
しかし、基本的には誰に対しても同じ考え方で張るべきだと思います。
我々ストリンガーが、プロ選手のラケットを張るときに気を付けることは、特別なことではなく、
テンションにムラがないこと、ゆるみがないこと、変形がないこと、など一言で言えば
「きちんと張る」ということです。
当たり前のことのようですが、この当たり前のことを極めて高いレベルで実現させなければ
なりません。
 プロ選手にはきちんと張らなければならないが、一般の人や初心者には、ちょっと使うとすぐに
ゆるみが出てテンションにも多少ムラがあったほうがよい、なんてバカげた話はありません。

 当店のストリンギングの最大のウリは『面圧は高いのに打球感はマイルド』ということです。
これを実現するにはここではとても書き切れないほどたくさんのことに注意しなければなりません。
日々、試行錯誤の連続に終始しています。

                ショップやストリンガーによるテンションの違いについて
 あくまでも同じタイプのマシンを使っているということと、同じような張り方をしているということが
前提ですが、A店の55ポンドとB店の60ポンドが同じ面圧だとします。
同じ位の面圧が出ているのだからいいようなものですが、『ポンド』というのは約0,45Kgで
万国共通の単位ですから、同じタイプのマシンならガットを引っ張る力はそう大きく違いません。
そうすると張り上がり面圧は同じでも、B店でガットを引っ張っている最中にはA店でガットを
引っ張る時よりも大きなストレスがラケットとガットの両方にかかっていることになります。
つまり同じ面圧を出せるのであれば、設定テンションが低いほうがラケットにもガットにもよい、
と考えられます。

また、実際にはありえない対戦なのですが、全く同じ人間が2人いて、同じラケットを使用して
その2人が対戦したとします。1人はあまりきちんとガットが張られてないラケットを使用して、
もう1人はきちんと張られたラケットを使用して・・・。
この対戦は、必ず後者が勝ちます。
 しかしいくら百の言葉を並べようとも、実際にはそのラケットを使ってみた選手やお客様が張りの
良し悪しを判断するわけですし、また、ガット張りには100%の模範解答がありませんので、
「これでいい」と思ったらお終いです。
そういう意味では一生かかっても自分なりの『張り』は完成しないと思われます。

ガット張りについて、具体的な張り方、当店での張り方、パターン等についての、お電話、FAX、
掲示板、メールによるご質問には、一切お答えできません。ご了承ください。

戻る