レミーのお買物
私の名は、レミー・デンジャー。USOのスペシャリストだ。
身長22.211センチメートルと、真正テラナーと比較すると、いささか小柄だか、私ほど有能なスペシャリストはいない。あのメルバム・カソムとのコンビは、USO最強と伝説にもなっている。
もちろん、相棒ではなく、私に対しての評価だ。
先日の特別ボーナスを手にした私はさっそく買物に出かけた。
カソムの奴は、作戦中に食べた食料分、マイナスになったそうだが、私はそうではない。
100万ソラ−まるまる入金されていたさ。
ふと骨董品屋のウインドを覗くと、我々シガ星人のために作られたとしか思えないモノを見つけた。
本だ。しかも我々にちょうどいいサイズの。
さっそく店内に入った私は、店主からその本についてのうんちくを聞いた。なんでも中世ヨーロッパで作られた豆本というものらしい。
ふむ、知ってのとおり、宇宙航行時代、地球からの植民地として始まったシガ星において、紙で作られた本というのは作られていない。
珍しい。値段も手ごろだ。
私はすぐさま購入を決めた。
配達もするという店主の勧めにしたがって、自宅の住所を書いて渡した。
支払いは、クレジットの自動引き落としだ。
数日後、クレジット会社から明細が届いた。
商品代金10万ソラ−。
シガ星の自宅への配達料金190万ソラ−。
合計200万ソラ−。
呆然としている私の目の前で、空気がゆらぎ、グッキーが現れた。
テレパシーで私の思考を読み、テレポートしてきたな。
「やぁレミー。うっかり配達先にシガ星の自宅の住所を書いたんだって?。このテラニアのUSO宿舎にしとけば宅配料は無料ですんだのに」
「ははは、つい」
「190万ソラ−の無駄使いか…」
ニヤニヤと笑うグッキーに私は言い返した。
「そんなの、たいした金額ではないさ。君も知ってる通り、私は細かいことにくよくよしない、スケールの大きな人間だからな」
2005.10.30