砂時計
え〜、あの世に行きますと、命のロウソク置き場なんてところがありまして、ろうそくの一本一本が人間の寿命と関係している。このロウソクの灯が消えたらその人の死亡確定ということです。八っさん、熊さんが死神を買収して、自分のロウソクを別人の長いロウソクと交換してもらおうとするのは、古典落語でのお話。
最近は、リサイクルの時代ですからね。
あの世も経費節減、ロウソクなんて消耗品を止めて、砂時計を使っております。
そこへ、八さん、熊さんの子孫である、安さん、ヒロさんたちがやってきました。
死神のやろう、また買収されてやんの。
みんなワイワイガヤガヤ言いながら、自分のと交換する砂時計を選んでいます。
その中でも意地汚い奴が居まして、倉庫の端っこに置いてある砂時計を見つけました.
「おい、この砂時計はどうだい。ほかのと離して隠すようにして置いてあるところをみると、特別あつらえじゃぁないのかい」
死神「そ、それは…、砂が真中のくびれに引っ掛かって落ちない不良品です」
「ふ〜ん、不良品ねえ、砂が落ちないってことは、いつまでも生きていられるって事だ。よし、おいらの砂時計はコレにしてもらおう」
死神「お止めになった方が…」
仲間たちも、落ちがないってのは、お笑いの世界では縁起悪い、なんて言って止めましたが、
そいつは、死神を急かして、強引に自分の砂時計にしてしまいます。
とたんに、バタッ。死んじゃった。
死神「だから止めたのに。砂が真中のくびれを通って下へ落ちるエネルギーが命と連動してるのに…」
2006.3.30