鳥になったお姫様

お姫様は、お城から一歩も外へ出られませんでした。
お姫様は、いつもお城の窓から空を見上げてつぶやいてました。
「鳥になって、自由に外の世界を飛びまわりたいな」

ある時、お城にきた魔法使いが、人を鳥に変身させる薬を持っていると聞いたお姫様、こっそりとその薬を手に入れました。
薬を手渡す時、魔法使いは「どんな鳥に変身するかは個人差があります。たくましい男性なら鷲や鷹に。美しい女性なら白鳥へ。その人らしい姿の鳥に変身します」
お姫様は言いました。「今の私は城から一歩も外に出られません。鳥に変身できるのなら、どんな鳥でもかまいません」

魔法使いは言いました。「お姫様は非常に可愛いらしい。きっとそのような鳥になるでしょう」
そして、お姫様は変身薬を飲みました。
ポンという音と共に、お姫様の姿が白い煙に包まれ、変身しました。
可愛いらしいペンギンの姿に。

2006.5.29