偽書 巨人の星

「悲運馬よ。そろそろ志望校決定の時期じゃの。この父は重大な決意をしたぞ」
「なんだい、父ちゃん」
「運動音痴のお前には、巨人軍入団どころか、甲子園出場も無理じゃ」「だから、お前の子、つまりワシの孫に望みをつなぐことにした」
「え、でも、オレ、まだ中学生だぜ。結婚もしてないし…」
「だからじゃ、優れた運動神経を持った女子と同じ高校に行き、3年間かけて口説くのじゃ」
「その女子も、すでにこの父が見つけておいた。番長子。この女子の進学する高校に、お前も入学するのじゃ」「どんな手を使ってもな」
「判ったよ、父ちゃん」

そして春。
ドジ悲運馬は、番長子と同じ女子高に入学した。
性転換手術をし、戸籍上の性別も変えて。

    終り
2008.7.5