青髪鬼出現?

2xxx年といえば、警察の仕事も民間に下請けに出される時代だ。
もちろん、俺もその一人。と言っても警察から回ってくる仕事だけでは食っていけない。
いろいろな官庁から依頼を受ける、いわゆるなんでも屋だ。

耳に内臓している音声受信機が作動した。
さっそくの依頼だ。
D地区で青髪鬼を目撃。ただちに回収するようにとの要請だ。

青髪鬼。さっそくデータをチェックしてみる。
20世紀の探偵小説家・横溝正史の小説に登場するキャラクターだ。
マニアックだねぇ。
おそらく例の、架空の人物や動物を実体化させる機械から誕生したのだろう。
この機械、もちろん違法。未来SFの世界だから、何でもありだ。

現場に到着。
はて、彼らに特有の反応がない。
近くに不法投棄らしき機械が転がってるだけだ。
俺は、さきほどの依頼内容を再確認した。
こんどは音声ではなく、モニター画面に印字された奴だ。

「D地区で整髪機を目撃。ただちに回収するように。清掃局」

   <END>2005.11.9