以下は,私が主イエスを「私の救い主」と信じる決心をしてから,当時通っていたプロテスタントの教会で洗礼を受けた翌週(2011年8月7日日曜日)に教会に来られた方々の前で話した初めての証しです。 当時の原稿の内容をそのまま載せておきます。 牧師の名前には補足説明を加えておきました。
皆さん,こんにちは。 今日は初めての証しなので,どのような道のりを経て信仰を持つに至ったかをお話しします。
私は18歳から20歳までの約2年間,統一教会に入っていました。 正式には,統一教会の中にある原理研究会という組織にいました。 原理研究会というのは,大学生専門の勧誘・教化組織のことです。 そこでの生活は楽しく,私は喜んで勧誘したりしていました。 そして1人の人間としてのアイデンティティが心の奥底からしっかりと形成されていきました。 しかし脱会すると,そのアイデンティティが根こぎにされた状態に陥り,私の心の支え,心の骨というべきものが完全に崩れて,なくなってしまいました。 そこから私の暗黒時代が始まりました。
家族の間でも様々な困難にぶつかり,夢も希望もなくし,とうとううつ病になりました。 うつ病は今でも治っておらず,発症してから今年で9年になります。 体も病み,心も病む中で,絶望し,殺意や自殺願望を抱き,どうしようもなく苦しい中でいてもたってもいられなくなり,生きる目的をどうしても見つけたくなって,聖書を勉強し始めました。
実は10年くらい前に一度,この教会でヴォルケ先生(当時,その教会の牧師だったドイツ人宣教師)に聖書を教えていただいたことがあったのですが,その時はあまりにも疑問が多すぎて,途中で学びを止めてしまいました。 その時の私は,「科学は正しい」と思い込んでいて,聖書の世界観,つまり神中心主義という世界観についても全然理解できませんでした。 科学や聖書について,間違った考えを持っていたのが,つまずきの原因でした。 しかし,去年から中川先生(ハーベスト・タイム・ミニストリーズ代表の中川健一牧師)のCDを聞いてみた所,意外によく頭に入るようになりました。 それは,科学の本当の意味を知り,聖書がとても論理的に書かれていることに気づいたからだと思います。 この時,聖書を再び勉強せずにはいられなくなったのは,今考えると,神様が私の心を聖書に向けさせたからだとしか思えません。
また,去年の6月には,母に連れられて,初めてこの教会の聖日礼拝に出席させていただきました。 最初のうちは知識を求めることばかりで,霊的なことは全然分かりませんでした。 皆さんのお祈りも,単なる独り言のように聞こえることもありました。 しかし,そんな私に,礼拝へ行くたびに声をかけて下さった方がいたことは,とてもありがたかったです。 また,声をかけて下さる方が皆,私の名前をご存じだったのには,とても驚かされました。 私のために祈って下さった方々にも,とても感謝しています。
そして去年の12月23日,突然とてもへりくだった気持ちになり,洗礼を受けたいと心から思いました。 これはとても不思議な出来事でした。 常識的に考えたら,あり得ないことです。 これはきっと,聖霊の働きなのだろうと思います。 ただ,この時は単に霊的になっただけであり,キリスト教の教理については知らないことが多かったので,今年の1月から夜の聖書学び会に出席することにしました。
しかし,礼拝に出席したり,聖書学び会で聖書を基礎から学んでも,なかなか内容を実感できずにいました。 例えば,神様の愛やイエス様の十字架の意味を,頭では理解できても,心で感じることがなかなかできませんでした。 自分の罪の重さについても,あまり分かっていませんでした。 そして私は祈ることを始めました。 そうこうするうちに,だんだん心が変えられていく感覚を持つようになり,「聖書の言っていることは事実だ」と思うようになりました。
そしてある時から「信仰告白ができますように」と祈るようになりました。 なかなかその願いは実現しませんでしたが,諦めずに毎日,「信仰告白ができるように,聖霊の助けがありますように」と祈り続けました。 そして6月8日にようやく洗礼を受ける決心ができ,ヴォルケ先生に洗礼志願書を提出しました。 礼拝に参加するようになって,ほぼ1年目のことでした。
信仰告白ができたのは私自身の力によるものではありません。 私の知識によるものでもありません。 もちろん,自己暗示でないことは確かです。 私の気づかないうちに聖霊が働かれたのだと思います。 私のような罪深い者に義の衣を着せて下さった神様は,本当にあわれみ深い方です。 私の信仰はまだ始まったばかりで,とても薄っぺらいものですが,主にしっかりつながり,信仰というすばらしいものを手放さないようにしていきたいと思います。
最後に,神様のあふれるばかりの恵みに感謝し,私の証しを終えたいと思います。 ありがとうございました。