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from 2005/1/15
Dream

夢占い・夢判断



夢占い・夢判断

夢占いは、世に数ある占いの中で、最も歴史が古く、身近な占いのひとつです。 夢には摩訶不思議な映像イメージや感情を伴うことが多いので、古来より神託や啓示としての要素、すなわち、「神のお告げ」的な意味合いがあるものとして信じられていました。 古くは、「古事記」の中に夢占いに係る記述が見られるようです。 また、正月 2日の初夢でその年の吉凶を占うという習慣(初夢占い)は、文献によれば、室町 ~ 鎌倉時代まで遡れるようです。 こうした歴史的・文化的・宗教的な背景もあり、現在でもなお、夢占いにまつわる伝承が数多く残されています。

俗に言う「良い夢」とは、ご利益が期待できる縁起の良い夢のことです。最もご利益があるとされているのは、宝船に乗った「七福神」です。 また、弁天様(弁財天)の使いとされる「白蛇」も縁起が良いとされています。縁起の良い夢の例えとして、江戸時代に流行した「一 富士、二 鷹、三 茄子」が有名です。 一説には、このベスト 3は、時の権力者であった徳川家康の好物だとも言われています。 庶民は、七福神・白蛇・富士山・鷹・なすびなど、俗に縁起が良いとされるものを夢に見て、その福分にあやかり、ご利益を期待したわけです。

一方、夢を精神医学的に分析した『夢判断』(フロイト・オーストリアの精神分析学者)のようなことも行われています。 こちらは、夢に出現したシンボルをもとに、自己分析につなげようとする試みです。 占いというよりむしろ精神分析に近く、深層心理の問題を解きほぐすカウンセリング的要素を持ちます。 フロイトが生活していた近代キリスト教的ヨーロッパでは、戒律が厳しく、性に関して抑圧的な生活を強いられていたため、それらと夢のつながりを強く意識した解釈になっています。 日本古来の伝承に基づく古典的な「夢占い」とは区別して考えてください。



夢占いの真実

女王・卑弥呼の時代から、「占」は、いわゆる「神」のお告げを賜るための手段として使われてきました。すなわち、「占」と「神」は表裏一体です。 人々は占いの背景に偉大な神の力の存在を感じ、祟りを怖れ、ご利益を期待していました。 古い伝承の類は、頭の中では迷信に過ぎないとわかっていても、その根拠もはっきりしないため、ある意味怖い存在です。 特に、自分自身に都合の悪い事柄は、そのまま何もせず放置しておくことはできません。 夢には摩訶不思議な映像イメージや感情を伴うことが多いので、夢と真のつながりを心配される方も多いようです。

夢占いは「縁起の良いものを夢に見れば、縁起の良いことが起こるに違いない」 「不吉なものを夢に見れば、不吉なことが起こるに違いない」という古い伝承がもとになっています。 「何かを暗示している」「必ずそうなる」というような科学的根拠のある話ではなく、「昔々、俗にそのように信じられていた」という類の話、 すなわち、夢に関する習俗・俗信ということになります。得られた結果に有用性や有効性はありません。 それによって現実世界の何がどうなるというものではありません。あくまでも「縁起物」として捉えてください。

人は誰もが漠然とした不安を抱え生活しています。何をしても自信が持てません。 安心感を得るためには、身の回りのありとあらゆるものに対して、超自然的存在(神仏、運命、守護霊‥‥ )のご意向を伺い、お墨付きを賜らなくてはなりません。 特に、人生の大きな決断の場面においては、他の誰の言葉よりも心強い存在となり得ます。 占いが廃れないのは、超自然的存在、また、それらにまつわる、祟りやご利益というものを信じている人が多いということです。 その向こう側にあるとされる超自然的世界からのメッセージを期待しているからに他なりません。

良い事柄に関しては、誰の所為なのか、誰のおかげでも構いませんが、 悪い事柄に関しては、誰の所為なのか、どうしてそうなったのか、犯人を見つけたい、原因をハッキリさせたいという心理が働きます。 科学も発達していなかった時代には、その責任を超自然的存在に押し付けるのが最も合理的な判断であったわけです。 たまたま偶然では納得できません。その事件を引き起こしたのは超自然的存在であると考えたわけです。 天変地異、疫病、事件、事故、よい事わるい事、この世で起きたすべての事柄を神仏や怨霊や物の怪の仕業として人々は納得したわけです。

迷信に支配されていた時代は終わりを告げましたが、いまだにそうした宗教観は人々の心の中に強く残されています。 いきなり科学を持ち出して、超自然的存在を否定したところで、そう易々と頭を切り替えられるものでもありません。 この科学万能の時代になっても、身の回りで起きた事件の原因を超自然的存在に求めようとする方々が数多くいらっしゃいます。 今朝見た夢、手のひらのシワやホクロ、名前の画数、生年月日、星座、血液型など、その矛先は数え上げたらきりがありません。 ひとたび何かが起これば、自分以外の誰か何かの所為だと思ってしまうのです。

所詮、超自然的存在などというものは空想上の存在に過ぎません。神が存在するという思想それ自体が、迷信を出所とする嘘八百のデタラメです。 嘘八百をどう捏ね繰り回した所で、現実問題として、何も起こりません。 困った時には、誰か何かに助けてもらいたいと思うのは人情ですが、たとえ、どんなに心を込めて祈ろうとも、その想いが届くわけでもありません。 突如として空から現れた誰か何かが、あなたを助けてくれるわけもありませんし、邪魔をするわけでもありません。 巷に氾濫する迷信に振り回されないようにして頂きたいと思います。

夢占いを娯楽として縁起物として楽しむ分には問題ありませんが、それによって心配や不安が助長されるようであれば、科学的見地からの解釈を取り入れてみるのもひとつの解決方法です。 夢は脳科学に基づいて大脳との係わりで解釈が可能です。 大脳が持つ生理的活動それ自体に、祟りがあるわけでもありませんし、ご利益があるわけでもありません。 占いを信じすぎるがあまり、「占いが暗示するような悪い未来になったら心配‥‥」と、夢の魔力を危惧される方も多いようですが、そのような事はあり得ませんので安心してください。



大脳生理学で夢を科学する

人が夢を見るという現象は、大脳が持つ生理的活動のひとつです。 夢の正体は、「睡眠中にもたらされる刺激(内的・外的・心理的)をきっかけにして、視覚・聴覚・触覚などに一種の幻覚や錯覚を起こした状態」であると考えられています。 脳波の測定から、犬や猫などの動物でも、夢を見ることがわかっています。そういう意味では、動物が夢を見るという現象は、大脳における原始的な活動のひとつであると言えます。 そこに、どんなに不思議な光景が映し出されたとしても、つまるところ、夢とは、大脳の生理的活動に過ぎないということを認識してください。

人間は全情報の 80%を視覚から得ています。記憶も映像イメージが主体です。大脳は、物事を映像イメージと関連付けて処理する構造になっています。 頭の中では、常に連想ゲームが行われています。このため睡眠中にもたらされる刺激に対しても、起きている時と同様、記憶の連想により映像イメージが呼び起こされるのです。 なにぶん、意識の無い状態で行われる、審判不在の連想ゲームです。自由度は無限大です。そこに法や秩序は存在しません。 常識では説明のつかない事が起きたり、実際には無いものでも見たように感じてしまうのです。

脳科学的見地からの夢の解釈
 ① 何らかの刺激 ⇒ ② 大脳が認識・解釈 ⇒ ③ 記憶の連想 ⇒ ④ 映像イメージ

例えば、膀胱におしっこが溜まってくると、それが刺激となってトイレの映像が現れたりします。空腹で血糖値が下がってくると、何かを食べる映像が現れたりします。 禁煙している時には、タバコを吸う映像が現れたりします。トイレの映像それ自体に特別な意味はありません。 オシッコが溜まったという膀胱からの信号に対して、大脳が反応し、そのような映像イメージを連想したということになります。 夢に大した意味はありません。大脳の生理的活動のひとつとして、入力された信号に対して、映像イメージを連想しているに過ぎません。

夢の映像イメージのベースとなるのは「記憶」です。すなわち、頭の中に保存されている映像や感情などの情報です。 大脳は、それらを組み合わせて、あの奇想天外で摩訶不思議な映像イメージをつくり出しています。夢は、今現在のあなたの状態を反映しています。 睡眠中の環境(肉体的・心理的)、心情(願望・不安・悩み)、経験(見た・感じた・体験した)など、夢には、その人の人生に係わるすべての情報が包括されています。 夢の内容から、その人の心情や経験を推測することは可能ですが、それによって未来がどうなるという話ではありません。

実際に夢として現れる映像イメージについては、個人の心情や経験に拠るところが大きく、動物としての基本的な欲求(食欲、性欲、排泄など)を除けば、ほとんど共通性はありません。 思想、趣味、趣向など、人それぞれです。どのような刺激を受け取れば、どのような映像イメージが現れるのか、ある基準により一般化して語ることは困難です。 そういう意味では、現在広く普及している心理学的なアプローチによる「夢診断」は、全く役に立ちません。 「○○は○○の象徴」という見方は、その個人に限定されるものであり、広く一般に適用できるわけではありません。

夢の多くは白黒のコントラストですが、中には、色付きの夢(色彩を感じ取っている夢)を見るという人もいます。 特に女性は色彩に対する関心が高いため、色付きの夢を見る人も多いようです。 同様に、音に関心のある人、味に関心のある人、においに関心のある人では、聴覚や味覚や嗅覚を刺激されたように感じる夢を見ることがあるようです。 また、腕をつかまれた、触られた、風を感じたなど、触覚を刺激されたように感じる夢もあるようです。 すなわち、日頃からよく使われている部位は、寝ている間にも覚醒しやすいということになります。

その他、年齢による大脳の発達具合や成熟の程度によっても、見る夢に違いがあります。 子供の頃は前頭葉が未発達であるため、大脳辺縁系(動物的な感情を司る部位)の活動が優位となり、恐怖や怒りの夢を見ることが多いようです。 大人になり前頭葉が発達してくると、夢の中でも、他人と会話をしたり、文字を読んだり、推理したり、論理的なことを考えるようになります。 また、スポーツ選手など頭頂葉が発達している人は、睡眠中にも身体を動かす人が多いようです。側頭葉(言語野)が発達している人は、寝言を発することが多いようです。



■ 家族、電話、仕事、学校、食事など日常生活の夢 (記憶強度が大きい事柄)
父親母親、兄弟姉妹、携帯電話、メール、パソコン、通勤、通学、電車、エレベータ、階段、仕事場、お金、文字・数字、財布、靴、 食べる、寝る、お風呂、シャワー、テレビ、ソファー、こたつ、自動車を運転している、ペット(犬・猫・鳥・熱帯魚など) ‥‥ 日常生活に関する夢を見る機会はかなり多いと思います。 すなわち、日常生活に関する記憶がダントツに多く、強度も強いため、夢として映像イメージが成立し易いということになります。特に意味はありません。

また、日頃悩んでいる事柄、大きなストレス、寝る直前に見た物や考えた事柄、今日あった印象的な出来事なども夢に出てきやすいようです。 こちらも、記憶強度が大きい事柄となります。

■ 記憶に鮮明に残っている風景や事柄などの夢 (記憶の断片)
記憶に鮮明に残っている風景や事柄なども夢によく出てきます。 小さい頃のケガや病気、学生時代の思い出、旅行先で見た景色、ニュースのひとコマ、強烈な印象を伴う地震・津波・火事・事故などの光景。 これらの夢にも意味はありません。あくまでも、記憶の中に、そのような映像イメージが保存されているということになります。

■ 大脳の思い込みの夢 (大脳の誤認識)
何の意味も持たない頭に浮かんだ抽象的な映像イメージに対して、大脳が誤った解釈をしてしまう夢もあります。 夢の中に細長くニョロニョロしたものが現れれば、記憶と照合し、それを蛇と認識する人も居ます。 また、炎のようにメラメラしたものは、火事と認識する人も居ます。黒くてチョロチョロ動き回るものは、ゴキブリと認識する人も居ます。 ひとたび、大脳がそうであると思い込めば、それらから連想される事柄が呼び起こされ、映像イメージとなって現れるわけです。

蛇の夢は、頭に浮かんだ抽象的な映像イメージ、例えば、細長くニョロニョロしたものを大脳が蛇と認識し、それらから連想される事柄が現れた夢です。 蛇に関する夢には、大蛇、うじゃうじゃ、巻き付かれる、噛まれる、追いかけられる、食べられる、殺す、掴む、捕まえる、脱皮、抜け殻、 色付きの蛇(白、黒、赤、黄、緑、黄金色‥)など様々な情景があるようです。いずれも、夢主がシンボルに対して連想する事柄となります。

火事の夢も同様です。 頭に浮かんだ抽象的な映像イメージ、例えば、炎のようにメラメラしたもの、煙のようにモヤモヤしたものを大脳が火事と認識し、それらから連想される事柄が現れた夢です。 火事に関する夢には、消防車、サイレン、ぼや、煙、火柱、火を消す、逃げる、自宅・学校・職場・車などが焼ける、焼け跡を見るなど様々な情景があるようです。 こちらも同様に、夢主がシンボルに対して連想する事柄となります。

この他、細長いニョロニョロは、龍(ドラゴン)、曲がりくねった道や川、棒やホース、炎のようにメラメラしたものは狐(きつね)、 揺ら揺らしていれば、地震、船揺れ、水面など、夢主の記憶の内容により変換されるシンボルは様々です。 ニョロニョロ、メラメラなど、抽象的な映像イメージは夢によく現れるので、蛇や火事などの夢を見る人が多いのです。 いわゆる神と呼ばれる象徴は、夢に現れた白色や黄金色の光を、そのように認識したものであると考えられます。

■ 感情が呼び起こす夢 (感情を投影しているもの)
日頃悩んでいる事柄、大きなストレス、寝る直前に見た物や考えた事柄、今日あった印象的な出来事など、感情が引き金となり、映像を連想するパターンの夢もあります。 泣く夢、怒る夢、喧嘩する夢、人を殺す夢、いじめられる夢などは、寝る直前の感情を引きずっていることも多いものです。 ある特定の感情がトラウマ(海でおぼれた、犬に咬まれた・追いかけられた、暗闇が怖い、大地震や大津波、交通事故など)を呼び起こすこともあります。

感情が呼び起こす夢の典型は、イライラ感、煩わしい感情にリンクする、虫の嫌いな人が見る虫(クモ・ハチ・ゴキブリ・大量の虫・蛾‥)の夢です。 例えば、蒸し暑く寝苦しい夜は、イライラ感を感じる人も多いと思います。そうした感情が引き金となり、そのような情景を連想させるということになります。 虫に対して何の嫌悪感も持たない人の場合には、記憶の断片の夢となります。対象となるシンボルに対して、どのような感情を持っているのかが夢診断のポイントです。

プラスの感情はその時一瞬だけで長続きはしません。幸せは、すぐに日常の事として移り変わっていきます。 逆に、マイナスの感情は、どんなに些細な事でも、心にしこりとなって残り易いのが特徴です。 また、眠りの浅くなるレム睡眠中には恐怖や怒りを司る大脳辺縁系の扁桃体という部分が活性化することがわかっています。 夢と言えば、悪夢や怖い夢と相場が決まっているのは、こうした理由があるからです。うれしい夢は滅多に出て来ないのです。

■ 追われる夢、落ちる夢、大地震や大津波の夢 (心理状態を投影しているもの)
これらの夢は強いストレスを感じた時に見る夢です。背後から誰か何かに追いかけられる夢。空や雲から落下する夢、大地震や大津波の夢、殺される夢。 準備が整わない夢(靴、鞄、教科書、体操着)、目的地にたどり着けない夢(道や電車を間違える、自動車が故障する、エレベーターが来ない)。 背景にあるのは「不安」「焦り」「どうしよう」「困った」などの精神的ストレスです。 こうした不安感や圧迫感が引き金となり、そのような情景を連想させるということになります。

寝る前には心を落ち着け、イヤなことは考えないようにしましょう。恐怖を誘うサスペンスドラマは悪夢の元です。 イヤな感情や言葉がリフレインするような夢、怖い夢や後味の悪い夢を繰り返し見るという人は、かなり強いストレスを抱えています。休養と気分転換を心がけてください。

■ 結婚、妊娠、赤ちゃん、テストの夢 (深層心理を投影しているもの)
これらの夢は、願望や母性本能の現れです。深層心理に関係する夢は意外に多いものです。特に女性の方は、恋愛・結婚・出産・赤ちゃんに関する夢をよく見るようです。 例えば、好きな人からの告白・キス・プロポーズの夢、結婚の夢、妊娠する夢、出産する夢、赤ちゃんを抱く夢などです。 いずれも、深層心理にそのような願望を抱えているということになります。

また、そうなって欲しいという願望が大きくなり過ぎると、一転して不安が襲ってきます。 願望の裏返しから、全く逆の意味の夢(⇒ 逆夢)を見ることもあります。不安性や心配性の人に多い夢の形態です。 例えば、結婚して幸せに暮らしている人は離婚の夢、妊娠中には流産の夢、試験に落ちる夢、交通事故の夢、盗難の夢、火事の夢などです。 いずれも、深層心理にそのような不安を抱えているということになります。願望が大きいか、不安が大きいかです。

結婚の夢、出産の夢、試験結果の夢、交通事故の夢、宝くじの夢など、 Yes か No のように結果が非常に限られた問題に対しては、ポジティブ思考かネガティブ思考かで夢の結末がガラリと変わります。 あくまでも、深層心理に「そうであって欲しい」「そうでなかったらどうしよう」という願望または不安を抱えていることを示しているに過ぎないので、 たとえ、夢の結末が意に沿わないものであったとしても、あまり気にする必要はありません。

■ 歯が生える夢、歯が抜ける夢、トイレの夢 (刺激に対する大脳の反射反応)
歯が生える夢、歯が抜ける夢は、かなり多くの人が見たことのある夢だと思います。 歯が欠ける、砕ける、折れる、入れ歯になってしまうなど、歯に関する夢は多くの情景があるようです。 これらの夢は、睡眠中に歯を食いしばったり、歯軋り(はぎしり)をしている時によく見る夢です。歯軋りは女性に多いようです。 歯や口中に生じた違和感から夢の中にそのようなイメージがつくり出されるようです。また、胃腸病、歯槽膿漏などの口腔疾患、寝相などとも関係が深いようです。

特に、歯が抜ける夢は、夢が覚めた後、抜けた歯で口の中がジャリジャリ一杯になるなど、後味の悪い感情を伴うこともあります。 何か悪い事が起こるのではないかと心配される方も多いと思いますが、 その実体は脳がつくり出した感覚に過ぎないということになります。気味の悪い夢ですが、悪い事柄を予言しているものではないので安心してください。 歯が抜ける夢と身近な人の死は何ら関係ありません。あまり気にし過ぎないようにしましょう。

おしっこの夢、うんちの夢は睡眠中に尿意や便意を感じた時によく見る夢です。 大脳が、膀胱や直腸から送られてくる便意を変換して、トイレに行って用を足しているような映像イメージがつくり出されるわけです。 トイレに関する夢には、汚物や水が溢れる・詰まる、誰かに覗かれる、掃除するなど様々な情景があるようです。 いずれも、夢主がトイレに対して連想する事柄となります。そのため、夢として映像イメージが成立し易いということになります。

その他、性的欲求が高まった時にはエッチな映像イメージが、睡眠中に血糖値が下がり脳が空腹を感じた時には何かを食べるような映像イメージがつくり出されるわけです。 また、周囲の音・光・温度などにも刺激を受け、それらから連想される映像イメージがつくり出されることもあります。 胸が圧迫されるような寝方(例えば、胸の上で手を組む、うつ伏せ寝、重い布団‥)をしている時には、酸欠状態の息苦しさから、怖い夢を見ることがあるようです。

■ トイレの夢は金運を暗示? (当時の社会や世俗を背景としているもの)
昔から人糞は田畑の肥料として使われてきました。江戸時代には農家がお金を払って糞尿を引き取るようなこともしていたようです。 その時世では便所はお金を生み出す場所であり、排泄物は売り物であり価値のあるものであったわけです。 こうしたことから、便所や排泄物の夢は金運につながると信じられていました。 便所や排泄物の夢が金運を暗示するという夢占いは、「排泄物」⇒「売り物」「価値のあるもの」⇒「金運」という当時の世俗がもとになっています。

おしっこの夢、うんちの夢は睡眠中に尿意や便意を感じた時によく見る夢です。 大脳が、膀胱や直腸から送られてくる便意を変換して、トイレに行って用を足しているような映像イメージがつくり出されるわけです。 こうした庶民が比較的よく見る夢に対して、その時世の世俗をもとに、金運という誰でも喜びそうな暗示をこじつけたわけです。

現在では、汚物(小便・大便)が価値のあるものとは誰も認識していません。この時代では、イヤな物や汚い物の象徴です。 「トイレ」⇒「お金を生み出す場所」,「汚物」⇒「売り物」「価値のあるもの」という図式は成り立ちません。 トイレはトイレでしかありません。また、汚物は汚物でしかありません。 汚物は価値のあるものであるという社会的背景を共有できなければ、トイレの夢、汚物の夢、排泄物の夢が金運を暗示するという夢占いは成立しません。

■ 白蛇の夢は財運を暗示? (宗教的な事柄を背景としているもの)
仏教では弁財天(インド由来の天武)は福徳や財宝を司っています。そして、白蛇は弁財天の化身であり使いであると考えられていました。 白蛇の夢は弁財天を連想させるので、白蛇の夢を見れば、弁財天のご利益により財運に恵まれると信じられていました。 すなわち、白蛇の夢が財運を暗示するという夢占いは、「白蛇」⇒「弁財天の化身」⇒「弁財天のご利益」⇒「財運」という俗信がもとになっています。 蛇と財運とが上手い具合に結び付けられています。

財運を授けてくれるのが弁天様であるなら、ご本尊が現れて然るべきですが、庶民が弁天様を拝する機会はほとんどなかったため、夢に見ることはありませんでした。 夢は記憶をベースとして構成されるものなので、記憶になければ夢に現れようもありません。ここで重要なのが蛇の存在です。蛇はインパクトの強い動物です。 夢に白くてニョロニョロしたものが現れれば、記憶と照合し、それを白い蛇であると認識する人も多いわけです。 こうした庶民が比較的よく見る夢に対して、その時世の世俗をもとに、財運という誰でも喜びそうな暗示をこじつけたわけです。

白へびに関する夢占いで重要なのは、弁天様が福徳や財宝を司っているという俗信です。 弁天様を仲介として、「白へび」⇒「弁天様の化身」⇒「弁財様のご利益」⇒「財運」と考えるところがポイントです。 弁天様と白ヘビとの関係を知らない人が、白ヘビの夢を見たところで、ヘビはヘビでしかありません。白いヘビだけでは何の役にも立ちません。 弁天様は福徳や財宝を司るという宗教的背景を共有できなければ、白へびが財運を暗示するという夢占いは成立しません。



予知夢や正夢

夢の多くは、大脳生理学で解釈することができますが、未だに脳科学では説明の付かない不思議な部分も残されています。 人間の脳はある程度の範囲なら予測もしてしまうので、予測可能な近い将来については、それを夢として見ることもあるようです。 しかしながら、その範囲を大きく飛び越えてしまう夢が存在するのもまた事実です。 現状からは全く予想もつかない出来事を予言していたり、夢に出てきた場面がそのまま現実となって目の前に現れることもあります。 夢枕に人が立つ、妊娠の知らせ、宝くじを買えと言われたなど、不思議な夢の話もよく耳にします。

科学的な理論は説明できませんが、筆者の個人的体験から、予知夢は実在すると考えています。筆者は、日常の些細な事柄に係わる夢をよく見ます。 その夢が予知夢として現実になる場合、多くは当日~翌日に現実になるようです。 夢で見た光景が、絶対に現実のものになると確信できるなら利用法もありますが、なにぶん夢の中の話なので、そうでないことも多いものです。 単なる夢で終わる場合もありますし、夢で見た通りの結末になる場合もあります。真偽は「後付け」でしかわかりません。 実際には、夢日記の答え合わせ程度にしか活用できるところはありません。

近親者の入院などでは、1~2ヶ月前から繰り返し見ることが多い感じがします。近親者の死に際しては、何年も前に夢で見た光景の通りになることもあります。 また、近所で自殺した人の予知夢を見たこともあります。 人の死に関する夢は、訃報が届くかなり前に見ることが多いので、夢を見た時点で、そうなる運命であることは、すでに決まっているように感じます。 おそらく筆者が夢を見た頃に、ご本人の元に、死神からの御召し状が届くのではないでしょうか。 この程度の比較的短い期間においては、すでに未来は確定してるのかもしれません。

予知夢と言うと、「天変地異」「事件・事故」「結婚」「妊娠」「離婚」「死期」「金運」など、大きな出来事を連想される方も多いと思います。 しかしながら、普段の生活の中で、大きな出来事など滅多に起こるものではありません。したがって、予知夢の多くは、日頃の些細な出来事に係わる事柄が中心となります。 夢の範囲は、自分自身に係わる事柄のみです。なかでも夢主の関心のある事柄が夢に出易いようです。例えば、衣食住、人間関係、お金関係などです。 全く関係も無い遠い場所で起こる事故や災害などを予知夢として見ることはありません。

いわゆる普通の夢(=雑夢)は日常や常識とかけ離れた事柄の夢が大半です。朝起きて、すぐに忘れてしまうような夢は、大した意味を持ちません。 これに対して、あたかもその場所に居るかのような現実感の漂う夢、起きてからもその光景が脳裏に鮮明に残っているような夢は、啓示としての要素が強いようです。 しかしながら、たとえ、その夢が後々の重大な事態に係わる啓示であったとしても、目が覚めた時点では真偽が判断できないのが予知夢の難点です。 良くも悪くも、結末を受け入れるより他にないということは、予知夢とは、ある意味、残酷なものです。



夢占いの有効期限

手相や四柱推命などの術式は、時間軸を占うことができますが、夢占いは、時間軸を占うことはできません。 夢占いは、「昔々、俗にそのように信じられていた」という類の話、すなわち、夢に関する習俗・俗信です。 夢占いは、成り立ちの経緯からして、時間軸に係わる概念が希薄な占いです。しかしながら、現代は簡単・便利・お手軽を求める時代です。 良い暗示であれば、一日でも早く現実になって欲しい。悪い暗示であれば、一日でも早く通り過ぎて欲しい。 夢を見た時に感じるモヤモヤした気持ちをスッキリ解消したい(⇒ 有効期限を知りたい)と思うのは人情です。

人が夢を見るという現象は、大脳が持つ生理的活動のひとつです。夢とは、睡眠中に大脳が勝手に思い浮かべた映像や感情に過ぎません。 頭の中で連想した(=夢を見た)というだけで、現実世界の何が変わるというものでもありません。 連想ゲームは連想ゲーム。現実世界は現実世界です。全く次元の異なる話です。 摩訶不思議な映像イメージや占いの文言から感じる不安や期待を解消したいという気持ちも理解できますが、 寝ている間の連想ゲームに対して、有効期間を設定したところで意味を成しません。まずは、「夢とは何か」をよく理解して頂きたいと思います。

当たり前ですが、何もしなければ、何も起きません。何もしないで、ただ待っているだけで、ただ願っているだけで、思い通りになることはありません。これ即ち、慣性の法則です。 もし、人智を超えた超自然的存在が何らかの意思を持って人間の営みに介入すれば、この世界は偏った社会(神の意思に沿った人生の集合体)になってしまいます。 超自然的世界は何もしないからこそ、神の偏った意思など存在しないからこそ、良くも悪くも様々な人生物語が生まれてくるのです。 運命を変えて行くのは自分自身だということを、まず肝に銘じて欲しいと思います。

人生とは、あなたの行いが周囲の人間関係に反映され、あるいは社会活動に反映され、その結果として、つくり上げられて行くものです。 今の人生をつくり上げたのは、あなた自身です。恵まれた人生を歩んでいる人は、陰日向で、そうなるように現実的な努力を続けてきたわけです。 逆に、恵まれない人生を歩んでいる人は、努力を怠ってきたわけです。そうなるべくしてなったのです。人や社会を恨んでいても道は開けません。 所在も知れない何かに責任を押し付けるのではなく、まずは自分自身の行動を振り返ってみてください。努力する方向を間違えないでください。

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