Tesou
手相の見方
妊娠や出産に関する相
手相で言うところの子宝運・子供運とは、「生命力」「気力」「体力」を示しています。 すなわち、掌の血色・生命線・手首線・子宝線・結婚線などから、「生まれつきの体質」「身体が丈夫で健康」「性衝動の強さ」といった健康に関する要素を読み取り、 妊娠や出産に必要不可欠となる、体質的および体力的な条件が揃っているかどうかを推定するということになります。 因果応報の法則により、自分自身の持つ思考傾向や行動傾向、生まれながらに授かった遺伝的体質、日々の生活習慣が、そのような人生を引き寄せると考えるのがポイントです。身体が丈夫で健康であるとされる相
・掌の血色‥‥体質‥‥健康的なピンク色が理想。白色は貧血で冷え性の傾向。
・人相‥‥‥体力‥‥人中と呼ばれる鼻の下の溝が真っ直ぐで広く深い相。
・生命線‥‥体力‥‥中指を延長したラインまで大きく弧を描き張り出している相。
・手首線‥‥体力‥‥クッキリ2~3本。
・子宝線‥‥性衝動‥‥感情線の始点に上下に数本の短い斜線が入っている相。
・結婚線‥‥性衝動‥‥本数が多いほど、性衝動が強い。
掌の血色が良いのは、血行が良い証拠です。 内臓が丈夫で栄養状態も良好であれば、頬や口まわり(⇒人中)、親指の付け根のふくらみ(⇒生命線)、手首(⇒手首線)など、体各部の肉付きが良くなります。 ホルモンバランスが良好であれば、性衝動(⇒子宝線・結婚線)を感じるのです。いずれも、妊娠や出産に必要不可欠な、体質的および体力的な条件となります。 「丈夫な赤ちゃんを産むためには、母体も心身共に健康でなければならない」という至極当たり前の内容です。 いわゆる『子宝を授かる運命』を示すものではありません。解釈を間違えないでください。
こうした指標をもって、現実に子宝に恵まれるとか恵まれないとか、妊娠・出産・流産など、具体的な事柄がわかるわけではありません。 あくまでも、実際に子供をつくるかどうかは、ご夫婦が決める問題です。 また、自身の健康、相手の健康、年齢的問題など、子宝を望んでいたとしても願いが叶わないこともあります。 もし、手のひらにこうしたサインがあったとしても、必ず、絶対、子宝に恵まれることが決まっているわけではありません。 手相とは要素や可能性です。手相の示す意味をよく理解して、迷信に惑わされないようにして頂きたいと思います。
医者に診てもらうことも叶わなかった時代には、手相の暗示が子宝を授かる可能性を示すバロメーターとして、それなりに有用であったことは確かです。 しかしながら、現在では医療技術が進歩したおかげで、簡単な検査をするだけで身体の状態がすべてわかってしまいます。 妊娠から出産に至る過程についても、医学的に解明されています。不思議な力が働く余地などありません。 また、科学の発達によって、運命は変えられる時代になっています。 わざわざ手相から信頼性の低い情報を読み取る必要はありません。これらの暗示は既に役目を終えています。
子供ができる環境にあればできますし、できない環境にあればできません。最終的には、生物として子孫を残す能力があるかどうかです。 畑に種をまけば、芽が出て膨らんで、花が咲きます。これは自然の摂理です。そこに誰か何かの意思が関与しているわけではありません。 不妊症は、子供を望むカップルにとって悩ましい問題ではありますが、 どこに居るのかもわからない犯人(神仏、運命、守護霊‥‥)に罪をなすり付けたとしても、現実がどうなるものでもありません。 真剣に子供を望むのであれば、医学的なアプローチを第一に考えてください。
薬指の長さが示す意味
最近の研究では、成人の薬指の長さ(薬指と人差し指の比率)は、胎児期に受けた男性ホルモンの量に関係する事がわかってきました。 すなわち、妊娠中、男性ホルモンの分泌が活発な環境にあれば、薬指の成長が促進されます。 逆に、男性ホルモンの分泌が不活発な環境にあれば、薬指の成長が阻害されます。 こうしたことから、成人の薬指の長さを見れば、胎児期における男性ホルモンに係わる胎内環境が推定できるということになります。 母体で胎児が成長する過程の指の長さの比率が、成人になってからも、ある程度固定されているということがポイントです。胎児期の男性ホルモンバランスの見方 (薬指と人差し指の比較)
・男性女性‥‥薬指が長い‥‥‥男性ホルモンの分泌が活発‥‥男性型脳。理系。外向的。
・男性女性‥‥人差し指が長い‥‥ 〃 不活発‥‥女性型脳。文系。内向的。
胎内の性ホルモン環境については、母体に由来する女性ホルモンが支配的です。 このため女性ホルモンに係わる過不足の問題はふつう起きません。 妊娠中期になると、新たに胎児の身体の中で男性ホルモンをつくり出すようになります。 男性ホルモンは、胎児の発育状態・母親のストレス・遺伝的問題などの影響を受け、過不足やバランス等の問題が起き易い環境にあります。 すなわち、胎児期における男性ホルモン過多は、女性の卵巣の機能障害・変形性関節症、 男性ホルモン不足は、男性の精子減少症・男性同性愛・心臓病という問題が起こり易くなります。
◎女性の主な症状
女性の15~20人に1人は遺伝的に男性ホルモンの分泌が活発なタイプです。男性ホルモン過多に係わる不妊で一番多くみられるのは卵巣の機能障害(多嚢胞性卵巣)です。 この病気は家族性を持つことが知られており、最近の研究では遺伝子の疾患であることがわかってきました。 すなわち、遺伝的に男性ホルモンを多く分泌する体質であるがゆえ、生まれつき薬指が長い、また、不妊に悩まされることがある、ということです。 過労などによる一時的なホルモンバランスの乱れ等の後天的な要因による問題には適用することはできませんので注意してください。女性の主な症状 (薬指と人差し指の比較)
・女性‥‥薬指が長い‥‥‥男性ホルモン過多 ⇒ 卵巣の機能障害。変形性関節症。
・女性‥‥人差し指が長い‥‥女性として問題なし ⇒ 子宮筋腫、卵巣ガン、乳ガン。
◎男性の主な症状
妊娠初期の胎児は、遺伝的性別に関係なく、すべて女性型です。 男児は、成長する過程において、己の身体の中でつくり出した男性ホルモンにより、各器官を男性型へと変身させていきます。 そのため男児は胎内のホルモンバランスに敏感です。男性ホルモンの分泌に何か問題が起これば、男性としての完全体にはなれません。 すなわち、精巣の成長が不完全であれば、精子減少症などの男性不妊が心配されます。 大脳の変身が不完全であれば、脳の一部が女性的要素を保ったまま固定化され、女性型脳となり、男性同姓愛が心配されます。男性の主な症状 (薬指と人差し指の比較)
・男性‥‥薬指が長い‥‥‥男性として問題なし ⇒ 前立腺ガン。免疫系が弱い。
・男性‥‥人差し指が長い‥‥男性ホルモン不足 ⇒ 精子減少症。男性同性愛。心臓病。
また、男性ホルモン不足に係る遺伝子疾患としてクラインフェルター症候群と呼ばれる疾患も対象範囲に含まれます。 クラインフェルター症候群とは、性染色体異常によって起こる男性に特有の遺伝子の疾患です。 発症頻度は 500~1,000人に1人程度。 性染色体異常の中では、男性で最も多い病気です。 身体的な特徴としては、手足が長くひょろっとした体型になります。 精巣の発達が不十分なため、生まれつき男性ホルモンが少なく、男性の女性化、無精子症を呈し、男性不妊となります。 男性不妊症を呈して診断のきっかけになることがあります。
小指の長さが示す意味
◎卵巣の機能障害
手相では、「小指が短い・湾曲している女性は子供との縁が薄い」「妊娠し難い体質」「成長した子供についても不安や心配が絶えない」と言われています。 ここで、「小指が短い」というキーワードに着目すれば、生まれつき薬指が長い人、すなわち、遺伝的に男性ホルモンを多く分泌する体質の人は、 相対的に小指が短く見えるため、男性ホルモン過多に係わる卵巣の機能障害(多嚢胞性卵巣)の女性を見つけ出すひとつの目安として有効であったと思われます。 小指の長さを測ったつもりが、実は薬指の長さを測っていたところに意味があったわけです。① 女性:遺伝的に男性ホルモンの分泌が活発 ⇒ 薬指が長い ⇒ 相対的に小指が短く見える
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『 卵巣の機能障害(多嚢胞性卵巣) 』
不妊に係る遺伝子は、生物学的に見て明らかに劣性です。本来なら、長い歴史の中で淘汰されて然るべきものです。 しかし、今日まで淘汰されずに残っているということは、この遺伝子には、他に何か有利に働くポイントがあったわけです。 そのカギとなるのが、いわゆる、外交的で頼もしい姉さん女房的な資質(男性ホルモン過多に係わる男性型脳)です。 世の中には、そのような資質を持つ女性に惹かれる男性も多いのです。 運よく、相手に恵まれ、子孫を残す機会にも恵まれ、この遺伝子は淘汰されずに生き残ることができたものと推測されます。
◎ターナー症候群
また、小指の変異に係る遺伝子疾患として、ターナー症候群と呼ばれる疾患も対象範囲に含まれます。 ターナー症候群とは、性染色体異常によって起こる女性に特有の遺伝子の疾患です。発症頻度は 1,000~2,500人に1人程度。 身体的な特徴としては、典型的な低身長症を呈し、薬指や小指にも短小・湾曲などの変異が見られることがあります。 卵巣の発達が不十分なため、第二次性徴の遅延や欠如、女性不妊となります。 すなわち、遺伝子疾患を持つがゆえ、薬指や小指の形に変異が見られることがある、また、不妊に悩まされることがある、ということです。② 女性:性染色体異常 ⇒ 形質異常 ⇒ 薬指や小指に変異(短小・湾曲)
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『 ターナー症候群 』
「小指が短い・湾曲している女性は子供との縁が薄い」という手相の暗示は、① 卵巣の機能障害、② ターナー症候群である不妊の女性の症状にピッタリと当てはまります。 この2つの疾患に限り、指の長さや形と不妊との関連性を医学的に説明することができます。 遺伝子に係る疾患は、指の長さや形の変異など、身体的な特徴を発現することが多く、実践的な手相鑑定の場において、 不妊との相関性を見つけ出し易かったことが、これらの暗示の発見につながったものと思われます。 その他を原因とする不妊症については、これらが関知するところではありません。
容姿や体形は個人差が大きく、生まれつき指が長い人も居れば、短い人も居ます。少しでも基準から外れれば、そのすべてを異常と捉えるものでもありません。 さらに言えば、指の長さ、比率、形状が、すべて基準内に収まっていたとしても、何らかの不妊につながる疾患を抱えていることもあり得ます。 問題の本質は、指の長さや形ではありません。不妊となり得る原因を持っているかどうかです。この辺りの見極めは医学的な検査を必要とします。 どのような理由で医学的に不妊となるのか、指の長さや形だけに拘るのではなく、背景にある事柄を理解してください。