Column
結婚と離婚のタイミング
結婚のタイミング
結婚に相応しい時期に、結婚を意識できる人に出会えば、誰でも結婚相手の候補となり得ます。 親密な交際を続けている相手が居る場合には、環境さえ整えば、結婚にまで発展しやすいと言えますが、相手がいない場合には、どうにもなりません。 「結婚に相応しい時期」と「結婚を意識できる異性の存在」のどちらが欠けても結婚はできません。まさに、このタイミングが重要で、そこに成功と失敗の分かれ道があります。 タイミングがうまく合えば、勢に乗って結婚にまで突き進んでしまう可能性もありますし、合わなければ、生涯ずっと独身ということにもなりかねません。「結婚に相応しい時期」 ⇔ 「結婚を意識できる異性の存在」
一方で、結婚は「縁」です。 タイミングや勢いで結婚まで突き進んでも、本当の「縁」が無くては実を結びません。 末長く幸せな生活を続けて行くためには、もっと深い部分での共感が必要です。 愛とは、ある日突然、生まれるものではありません。長い期間に渡って、育んでいくものです。打算や勘違いの結婚では二人の生活は長続きしません。 やはり、本当の「縁」かどうかを見分ける能力の差が結婚生活の良し悪しに関係してきます。 出会った瞬間に感じたドキドキ感・高揚感・ヒラメキは全く当てになりません。惚れっぽい性格であると自覚される方は注意が必要です。
結婚相手として相応しい人 ⇒ 生活して行く上で衝突する点が少なそうな人
・類似性、波長の合う人。
・高揚感ではなく、安心感。
・深層心理で共感できる人。
・価値観が似ている人（泣く・笑うポイント、自動車の運転、お金の使い方など）。
・知性レベルが似ている人。
・社会的ステータス、家柄も同等程度が望ましい。
実際の結婚生活には、様々な要素が絡んできます。いざ、結婚生活ということになりますと、夫婦間の相性や愛情問題に留まらず、 子育て、経済問題、健康問題、嫁姑問題など様々な難問が押し寄せてきます。相手が浮気をするかもしれません。 将来リストラに合うかもしれません。大きな病気にかかるかもしれません。幸せな結婚生活がずっと続いていく保証なんてどこにもありません。 これから押し寄せてくる数々の試練を二人で力を合わせて解決していかなくてはなりません。 「恋愛（恋愛衝動）」と「結婚（社会的契約）」は別物と考えた方がいいでしょう。
結婚する年齢や相手は、あらかじめ運命で決められているわけではありません。長い人生、出会いなんてどこにあるかわかりません。 それまでの人生は運命の人に出会うまでの練習みたいなものです。結婚相手に出会うと、不思議とすべてが結婚の方向に働き、話がまとまってしまいます。 それが「赤い糸で結ばれた人」です。そして、最期の時、「この人が運命の人だったんだ‥‥」としみじみ感じるものなのです。 前もって、その真偽を知りたいと思うのは人情ですが、そんな不埒なことを考えてはいけません。幾多の苦楽を共にしなければ、その答えはわからないのです。
この世界は、たまたま偶然が織り成す人生物語です。 我々の身の回りで起こる事柄すべてが、それぞれの当事者の自由意思に委ねられているからこそ、人生に当たり外れが出てくるのです。 その結果として、人生の妙というものが生まれてくるのです。 もし、人智を超えた超自然的存在が何らかの意思を持って人間の営みに介入したりすれば、この世界は偏った社会（神の意思に沿った人生の集合体）になってしまいます。 超自然的世界は何もしないからこそ、神の偏った意思など存在しないからこそ、良くも悪くも様々な人生物語が生まれるのです。
その時は、ある日突然やって来ます。人の一生は、人智では計り知れないものです。 未来には、自分に都合の良い出来事だけが待っているわけではありません。当然、悪い事もあります。いや、悪い事しかないかもしれません。 もし、そうであっても、これから起こる事柄が予知できないからこそ、今この瞬間、将来に希望を持って努力することができるのです。 何事も決まっていないから、何事もわからないから、面白いのです。何でもお見通しの未来には、希望がありません。 結末がわからないからこそ、薬として作用することを忘れないでください。
人生とは、あなたの行いが周囲の人間関係に反映され、あるいは社会活動に反映され、その結果として、つくり上げられて行くものです。 今の人生をつくり上げたのは、あなた自身です。恵まれた人生を歩んでいる人は、陰日向で、そうなるように現実的な努力を続けてきたわけです。 逆に、恵まれない人生を歩んでいる人は、努力を怠ってきたわけです。そうなるべくしてなったのです。人や社会を恨んでいても道は開けません。 所在も知れない何かに責任を押し付けるのではなく、まずは自分自身の行動を振り返ってみてください。努力する方向を間違えないでください。
離婚のタイミング
結婚適齢期といわれる短い期間に、お付き合いができる人の数は、たかが知れています。 自分に相応しい相手をカタログで選ぶように大勢の候補の中から吟味できれば文句ありませんが、そう選り好みもしてはいられないのが実状です。 今、決めなければ、この先、結婚するチャンスに恵まれないかもしれません。現実には、非常に限られた人の中から相手を選ばなくてはなりません。 こうした切羽詰った状況の中では、「この人以外に考えられない」という積極的な理由より、 「仕方ないけど、この人でもいいか」という消極的な理由で結婚を決めてしまうことが多いものです。結婚という人生最大の目標を達成するためには、少々の都合の悪い事柄には目をつぶらなくてはなりません。 恋とか愛とか、年収とか顔貌とか身長とか、そんなことは二の次です。まずは、結婚すること自体が第一です。 自分には相応しくないと感じる相手でも、時と場合によっては、社会的な圧力（世間体）を優先して、結婚しなくてはなりません。 結婚とは、人生の目標を達成するため、仕方なく選んだ、我慢や妥協のイバラの道です。そこは終着点ではありません。新たなる苦労の始まりです。 非常にリスクを伴うものであることを認識しなくてはなりません。
そもそも理想通りの結婚というのはありえない話です。結婚を決断した時点で、かなりの妥協を重ねている筈です。 そこに大きな問題が押し寄せてくると、夫婦関係を維持するのが難しくなるのも自然の流れと言えるでしょう。結婚したら最後、平穏な時間などありません。 相手への些細な不満に始まり、子育て、住宅の新築、浮気、不倫、病気、事故、リストラ、嫁姑問題など、様々な問題が次から次へと押し寄せてきます。 一見、幸せそうに見えるカップルでも、夫婦関係の破綻は、すぐそこに迫っています。離婚とは、自分たちとは関係のない事柄ではないのです。
統計によれば、女性が生涯結婚しない割合は18％程度と言われています。これが2030年には25％になるだろうと予測されています。 また、離婚件数も右肩上がりで増え続け、離婚率（離婚件数/婚姻件数）は40％に迫ろうとしています。 これは10組のカップルが誕生すれば、その一方で、4組のカップルが離婚しているという衝撃的な数字です。実際の結婚生活は、幸せより遥かに苦労の割合の方が多いものです。 生まれも育ちも違うもの同士が、同じ屋根の下で一緒に暮らすということは、思い描くほど生易しい話ではありません。残念ですが、これが結婚の現実です。
結婚は一生に一度の決断です。失敗は許されません。その反面、相手を吟味できる時間は限られています。 こうした状況の中で、結婚の当たりクジを引くことは容易ではありません。結婚は上手く行かなくて当たり前。理想と違って当たり前です。 すべての人がシンデレラのような幸せな結婚ができるのなら、おとぎ話としてシンデレラ物語は成立しません。 こんな話は現実にはあり得ないから、おとぎ話なのです。現実の結婚生活は、シンデレラを恨めしく思うようなものでしかないということです。 結婚の当たりクジを引くことは伝説になるくらい稀有な話なのです。
もちろん、運良くすばらしい伴侶にめぐり会えれば文句ありませんが、そうでなければ、さんざんな人生を歩む事になります。 成功している人の影には夢半ばで挫折した人もいます。幸せな結婚生活を営んでいるご夫婦もいらっしゃれば、そうでないご夫婦もいらっしゃいます。 自分たちがそうでない夫婦に入らないという保証はどこにもありません。婚姻という社会的契約それ自体が、あなたを幸せにしてくれるわけではありません。 結婚の行方を決めるのは、夫婦それぞれの努力です。未来をつくるのは自分たち夫婦なのだということを、まず肝に銘じて欲しいと思います。
結婚に向いていない人が、結婚にこだわっていてもロクなことがありません。宿命に逆らう生き方は、常に困難が伴なうものです。 苦労も人生の財産と考えれば少しは救われますが、なるべくなら苦労は避けて通りたいものです。 「自分は結婚には向かない」と、20歳で気付くのと、40歳で気付くのとでは、その後の人生は全く違うものになるでしょう。 結婚することだけが人生ではありません。結婚運が悪いと感じている方は、結婚だけに固着せず別の人生の在り処も考えてみたらいかがでしょうか。 これを機会に今までの生き方を見つめ直す余裕を持って欲しいと思います。
